あなたは今、自分の心地よい場所で椅子に座っています。
例えば、天気が良く部屋の窓から陽射しが差し込み、木のテーブルをほど良く照らし、壁やインテリアは影をつくり、自身はカーテンにより柔らかな光を浴びています。
先ほどまで、こなさなければならない用事をしていました。意識を集中して対処しなければならない事を頭に浮かべ、それを終えたところです。
少し疲れましたが、やることは進んでいます。
そこで意識をゆるませるために少し休憩しようとしているところです。
お気に入りのコーヒーと、あてにコーヒーに合うものを少し食べようかと思っています。
コーヒーを淹れると安心できる慣れ親しんだ香りがします。
あなたは今の気分に合った、コーヒーを楽しむための陶器のカップを選び、そそぎます。
気持ちを緩ませるための休憩ですが、少しワクワクもしています。今から深い満足の瞬間を味わえるからです。
コーヒーを注ぎ終えるとカップの存在感とあいまってなにか特別なものができあがった気がします。思わず少し口にします。そうするとコーヒーの香りとアロマが口に広がり、「美味しい」と、一言呟いてしまいます。
そしてテーブルに向かいカップを置き、おやつと小皿を取り出します。これも手作りの陶器です。ここには量産するために捨て去られた素材に対するリスペクトと、豊かさを実現するためのデザインがあります。
これで準備はできました。気持ちを緩ませると同時に豊かな感覚を実現する、休息のひと時の始まりです。
ある日の休憩時間 山田晃一郎